半導体メーカーから半導体製造装置メーカーへ、必然の転職。

プロセスエンジニアの醍醐味は、半導体技術の進化とともに歩みながら、より良いレシピ(プロセス条件)を追求し続け、最先端のデバイスづくりに寄与できることです。私は前職の電機メーカーで20年あまり、ドライエッチングのプロセスエンジニアとしてフラッシュメモリ等の量産に関わってきました。当初は、日本の半導体産業が右肩上がりで伸びていた時代で、先進的なレシピを次々に編み出して生産現場に提供していました。半導体と製造プロセスと自分が軌を一にして前進していると実感でき、ダイナミックな働きがいを満喫していました。ところがその後、日の丸半導体は停滞期を迎えてしまいます。世界的には、超微細化や3次元化のトレンドのもと、回路形成の鍵を握るエッチング工程の重要度が増しつつあっただけに、培ったスキルを発揮して活躍したいと思って転職を決意したのです。

日立ハイテクは知り合いの紹介でしたが、日本では半導体メーカーの見通しが明るくない一方、製造装置メーカーは最先端の技術で世界を舞台に戦っていて存在感があったので、必ずチャンスがあると確信を持てました。さらに、他に類のないエッチング装置を武器に業績を伸ばしていると知り、新たなプロセス技術に取り組むことで、私自身のいっそうの成長に結びつくと期待できたのも決め手になりました。



実機を使って、顧客と会話して、共同開発して、リアルに感じる強みの数々。

日立ハイテクのエッチング装置は、独自技術のECR(電子サイクロトロン共鳴)方式を採用しています。低圧で加工できるためダメージが少ない、プロセスウィンドウ(最適なプロセス条件の範囲)が広いといった特長があり、超微細な加工や3次元の加工に向いているとの評価を得ています。私は入社して韓国の半導体メーカーのお客様を担当。前職での経験をベースに、要求仕様を満たすプロセス条件を開発してデモを行うチームのリーダーを務めた後、2020年度からはマネジメント職に就いています。お客様のウェーハを実機で加工・評価し、結果をプレゼンする機会も多いので、ECRの優れた性能に目を見張ると同時に、お客様から次世代の切り札になる製造装置だと期待されており、自分たちがいいプロセスを提案できれば、受注に結びついて事業を拡大できると、日々実感しています。

しかも当社は、微細な回路計測に不可欠な測長SEMで世界トップクラスのシェアを有しているので、相互の連携により、加工と計測のシナジーまで生み出せます。また、日立製作所の中央研究所と、例えば横方向の加工法を縦方向に展開する共同開発を進めるなど、日立グループの総合力も確かなバックボーンですし、数々のアドバンテージに恵まれていることを肌で感じています。



前工程に関わる何らかの知識・経験があれば、ステップアップできる。

現在、私は大きく3つのミッションを担っています。第一は、韓国の顧客向けビジネスのいっそうの拡大。アメリカや台湾などの顧客担当チームも順調に業績を伸ばしているので、全員の力を結集し、当社エッチング装置のワールドワイドでのシェアアップを目指します。第二は、明日の当社プロセス技術の担い手となる中堅・若手エンジニアの育成。部署には経験豊富なエキスパートが揃っており、メンバーに惜しみなく知見を伝授する文化が定着しています。転職者をサポートする環境が整っているわけで、私もすぐに馴染めましたし、安心して入社できると言い切れます。ちなみに、課長としてキャリア採用を進める立場では、「エッチングに限らず、半導体プロセスの前工程に関する何らかの知識・経験があり、最先端のプロセス開発に挑戦して、世界に立ち向かいたいと望んでいる方」を広く求めています。

そして第三のミッションは、まだトライアル&エラーの側面が強いプロセス開発のDX化。AIやIoTを活用した情報の一元化や条件設定・シミュレーションの自動化を図ろうと期しており、私自身の新たな成長にもつながると考えています。いくつもアドバンテージがあるので、年齢や役職、新卒や中途といった枠に関係なく、「誰もがスキルに磨きをかけながら、どこまでもステップアップしていける場」というのが、日立ハイテクでの仕事に対する私の率直な気持ちです。



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