自分の手でものをつくって動かして、社会に貢献したい。

私は学部と大学院で情報工学と機械・電気工学を学び、将来は「自分の手でものをつくって動かして、社会に貢献したい」と思うようになり、先端機器を制御するソフトウェアエンジニアを志しました。社会に出て、スキルとキャリアを最大限に伸ばせる場を求め続けた結果、現職の日立ハイテクに出会って、「ここだ」と確信できたのです。

ざっと振り返ると、前々職はカメラメーカの生産技術分野で、カメラの検査設備や検査に必要な外部機器のソフト開発に従事しました。そして、前職のカーメーカで、車両制御システムの開発に取り組みました。車両をどう動かしたいかという要求に対し、制御ロジックの検討、机上検証~実車評価まで幅広く経験を得ることができ、スキルアップが実感できて仕事も充実していました。しかし、量産工程では制御ロジックをサプライヤーに展開したら後はお任せというワークフロー、実際のエンドユーザから生の声を聞ける機会が少ない、市場ニーズを踏まえた開発に従事できない点が残念でした。そこであらためて「自分で実装まで手がけたい。BtoCよりも実際に製品を使用するユーザーとの距離が近いBtoBで、ユーザーとなるお客様と接しながら、より良いものづくりに打ち込みたい」と考え、転職を決断。望んでいた条件にぴったりだったのが日立ハイテクでした。



スキル・経験のマッチングは?未知の半導体エッチング装置は?

選考時には、前職・前々職で培った制御ソフト開発のスキル、経験はどこまで活かせるか、未知の分野の半導体エッチング装置をどのくらいで理解できるかなど、面接等を通じて納得の行くまで質問しました。入社後の配属先はソフト設計の搬送チームになり、OJTを兼ねて、既存装置の機能改善から取りかかりました。エッチング加工を行う真空チャンバーに、ロボットでウエハを搬送するパートで、前職で使用していたC言語での開発だったこともあり、1ヶ月くらいで台湾と韓国のお客様を担当して、ちょっとした案件を任されるところまで進めました。

何より面白かったのは、顧客先によって必要とされる機能が多岐にわたるため、毎回新鮮な発見があること。同時に、つくって売って終わりではなく、納入後も機能改善をサポートしていくので、お客様と一緒に活動して、お客様に貢献したいという希望も満たされています。プロセスの制御、画面のUI、装置全体のプログラムなど、いろいろなソフト開発チームがあるのも魅力で、私は搬送から順次スキルを拡張して、将来的に装置全体の最適化まで考えられるエンジニアを目指そうとイメージしています。



「通常はあり得ない構成」の複雑な装置もコントロール。

入社して1年半、ウエハ搬送制御の仕組みやロボットの通信制御といった基本的な技術を把握したうえで、今は案件ごとに応用技術の引き出しを増やしている段階です。成果も着実に出ています。あるお客様から、ウエハ搬送に関係するハードウエアの動作データを収集・分析してフィードバックすることで、いっそうの生産効率の向上を図りたいとのご要望があり、私が先頭に立って開発を進めました。まだ納入したばかりですが、いずれ反響を聞けると楽しみにしています。

社内の部門横断型のプロジェクトにも参加しました。量産モジュールの検査工程を効率化するため、さまざまな仕様の量産モジュールを同時に検査できるようにするシステムの開発です。1台の装置に仕様の異なる複数のモジュールをつけた状態で、通常の装置同様、各々のモジュールに問題なく連続してウエハの搬送が行えることが使命でした。私なりに工夫を重ね、既存の仕組みを活用・改良するとともに、現場の作業者が操作しやすいGUIも同時に開発し、この課題を何とか解決。すでに製造現場に適用されており、ユーザビリティが高いと好評です。シミュレータによる動作確認と、必要に応じて実機で確認できる環境も整っているので、「自分の手で」という希望も叶えられています。業界を問わず、組込み系の開発経験者が経験を活かしやすいうえ、幅が広くて奥が深いので、やりがいに満たされながら大きく成長していける仕事だと思います。



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