※アジャイル開発は迅速かつ適応的にソフトウェア開発を行う軽量な開発手法群の総称。なかでもいくつかの手法があり、KDDIが取り組むスクラムはアジャイル開発の代表的な手法の一つ。

圧倒的な顧客基盤を背景に、クラウドを活用した新たなサービス開発ができる。

―入社のきっかけを教えてください。

廣田/一言でいうと今後ICTのトレンドとなる、クラウドの第一人者になれると思ったからです。Slerで物理的サーバのシステム開発を行ってきましたが、エンジニアとしてのキャリアを考えるなかでKDDIであればクラウドのノウハウを自分のものにしながら、蓄積されている豊富なデータベースを活かしたサービス開発ができると思いました。

吉田/前職ではインターネット関連サービス企業で決済やポイントシステムのフロント、バックエンドの設計、プログラミングを行ってきました。決済周りのプロジェクト経験で金融×テクノロジーの可能性を感じていた時に目にしたのが「au WALLET」のリリースです。あの企業規模でどんどん新しいサービスを生んでいくことから、「KDDIはきっと面白いに違いない」とそう思い立ってKDDIに転職しました。

吉村/私の場合はメーカーで複合機に関連した新規事業に携わっており、既にクラウドを活用した開発を行っていました。新規事業ということで企画から開発まで自分で手掛ける面白さはあったのですが、BtoBサービスでしたので市場は限られていました。「もっとインパクトのある仕事がしたい」と潤沢なリソースを持ち、カスタマーへの影響力も大きなKDDIで試してみたいと思ったからです。
―現在の仕事を教えてください。

廣田/現在は社内でクラウドの活用を広めるためにノウハウの横展開を行っています。まだ社内でもクラウドサービスを使いきれておらず、アジャイル開発手法もセットで普及させることで企業全体としてより筋肉質になると考えています。例えばモバイル開発の部署は電波の品質調査をする際に基地局に出向いて調査を行っています。現在、クラウドでログを収集することで、外部環境から状況を把握し基地局の設定を変更できるような業務システムを開発しています。このシステムが完成すれば、業務プロセスを見直すことで、年間で数億のコスト削減を見込んでおり、クラウド活用の好事例だと思います。

吉田/私はIoTサービス「au HOME」の開発と改善を行っています。これは外出先から家電操作や電気使用量が確認できる話題のIoTサービスです。リリースから約1年、現在は3チームで開発と改善を行っており、カスタマーサポートと連携し実際の使用者の声を基に不を解消したり、新機能の開発を行っている最中です。私はアジャイル開発のスクラムマスターとしてチームが最大のパフォーマンスが出せるように、強いチーム作りに全力投球しています。

吉村/私は吉田も話していたIoTサービス「au HOME」のB2B2C版である「with HOME」の開発を行っています。チームは多業種のパートナー企業様と協業し販路拡大を進めており、私自身はスクラムマスターとして日々メンバーをサポートしています。

アジャイル開発でエンジニアがビジネスを加速させていく。

―KDDIのアジャイル開発について教えてください。

廣田/私は入社するまでアジャイル開発を経験したことがなく、KDDIに入って学んだのですが衝撃でした。まず驚いたのが最初にペルソナを描いてから仕様に落とし込んでいくという点。今思うとあたりまえなのですが、実際に開発するエンジニアがカスタマーの方を向いてサービスを作り続けることができます。KDDIは今、通信とライフデザインの融合をテーマに一丸となっています。アジャイル開発は通信を土壌にライフデザインの多様な領域で芽を咲かせるための有効な手段だと肌で感じています。

吉田/スクラムは決まり事が薄いフレームワークですので多くの企業が導入していると思います。KDDIではアジャイル開発のオピニオンと言われる方々と組み、全員がスクラムの決まり事を理解し、必要に応じてルールを追加した上で開発を進めます。そこが一番大きな違いではないでしょうか。企業としても積極投資を行い、私もスクラムの資格を6つ取得。数十万円の研修にもNOは出ませんでした。エンジニアの方ならソースコードレビューで切り戻されるという経験もあるかと思いますが、ここではそれがありません。モブプログラミングを導入し、複数人が同じモニターでソースを見ているので、報告の時間が極端に短い。早く広く知識を吸収したいという人なら、確実に自分の血肉になっていく感覚が味わえます。

吉村/2人の話のように手法に関しての議論がなく、共通理解のもとで生産性の高いコミュニケーションが取れます。その認識は開発に留まらず、サービスの企画にも浸透しています。「ビジネスを加速するためにはアジャイル開発が必要不可欠」だとの理解があり、オープンなコミュニケーションによりその場で開発がどんどん前に進みます。同じ情報を持って会話をするので無駄を少なくできます。さながらベンチャー企業のようなスピード感です。

通信とライフデザインの融合をテーマに、チャレンジ精神が渦巻いている。

-教育体制や開発環境 はいかがでしょうか?

廣田/アジャイル開発センターという視点でいうと、まずは基礎を学んでいただき、その後は「習うより慣れろ」でチームに入っていただきます。なぜ早めに開発現場に入ってもらうのがいいかというと、モブプログラミング(2人以上が同じコンピュータを使って、同じ画面を見ながら、同じ課題に取り組む開発手法)で実践的なフィードバックがリアルタイムに得られるからです。その場で見て、質問して、実行までできる。座学のみの研修より成長は早いと思います。

吉田/入社後すぐにでもJava、Python、AWS周りの資格は取得できます。ベースを揃えた上で仕事ができるので心配はいりません。スクラムで進める時は、インフラが得意な人の隣にAndroidアプリが得意な人が座り、一緒にプログラミングを行う。そんな光景が日常茶飯事です。プロフェッショナルが縦割り組織で分かれるのではなく、サービス毎にチームが編成されるので見識は広がります。

吉村/アジャイル開発センターには著名な方々にコーチとして入っていただいています。独自でなんとなくの手法をまねるのではなく、しっかりと開発手法を学び・実行することこそが、最短で最良のサービス開発に繋がると考えているからに他なりません。一流と呼ばれるコーチの方のマインドに直に触れることで自身の成長もできます。
-今後取り組みたいことはなんですか?

廣田/引き続きKDDIのなかでクラウドを使ったアジャイル開発のコンサルティングを行っていきたいと思います。可能性は未知数ですからそれがエンジニアとしての成長になり、回りまわって世の中のニュースとなるような仕事に繋がっていくはずです。

吉田/私はアジャイル開発に出会ってチーム作りに関心を持ちました。今は強いチームで魅力的な自社プロダクトを開発することがモチベーションになっています。幸いKDDIは必要なものには惜しみなく投資をしてくれるので、チーム作りの際にも選択できるオプションが多いと思います。

吉村/これから大きな変革を実現するという空気のなかでサービス開発に携われているのは刺激的です。将来的には企画領域にも踏み込んで新規のサービスを立ち上げてみたいです。これだけのリソースとチャレンジを後押しする風土はあるので、後は自分次第ですね。



(2018年5月取材)