2014年10月。富士ゼロックス社内で新たな組織が立ち上がった。現在、富士ゼロックスが繰り広げている、モノからソリューション・サービスへとビジネスモデルと転換していく「変革」へのチャレンジを象徴する組織だ。ここでは、コンサルティング企業出身者など外部から積極的に専門人材を採用し、社内でも異色のチームとなっている。では、富士ゼロックスが追求している新規ビジネスの創出とは何か。その最前線を追う。

ドキュメントが介在しないビジネスはない。そのプロセスを革新していく。

1962年の創業以来、複写機をはじめとするオフィス機器のメーカーとして成長を遂げてきた富士ゼロックス。そこで培われてきたドキュメント情報を扱う豊富なノウハウをもとに、いわゆる一般のコンサルティング企業や、情報システム関連企業が提供しているERP(※1)やBI(※2)などとは次元の異なるソリューションを提供し、お客様の経営に貢献していく。それがこの組織のミッションだ。
このチームには、コンサルティング業界出身者が多数集っている。コンサルティングが提供できる価値に限界を覚え、自ら事業を創って社会に残したいという、強い想いを抱いて富士ゼロックスに参画してきた人材もいる。そうした異能の人材が集うこの組織がターゲットに掲げているのは、ビジネスにおいて「人間」の価値をさらに高めていくことだ。具体的には、ナレッジマネジメントやPLM(※3)、ECM(※4)などのアプローチから「人間」が取り組む業務にスコープし、お客様のビジネスプロセスそのものを革新しようとしている。
ビジネスの現場では、設計書や見積書など紙のドキュメントでオペレーションされ、属人的なノウハウをもとに評価・分析されているプロセスがまだまだ多々見受けられる。そうした紙のドキュメントの情報を、たとえばOCRでデジタル化し、構造化データに組み替えて業務を効率化するなど、自社が強みを持つ技術を駆使して劇的にプロセスを変革し、その先の人間が本来担うべき『意思決定』がスピーディーにできる環境を、独自の手法で実現しようとしているのだ。

※1:ERP/Enterprise Resource Planning(財務や人事・顧客情報など企業の業務をサポートするシステム)
※2:BI/Business Intelligence(企業内の膨大なデータを、蓄積・分析・加工して、活用しようとする手法)
※3:PLM/Products Lifecycle Management(商品の開発に関して、企画と設計、および生産と出荷後のユーザーサポートなど、あらゆる過程で総合的に管理する手法)
※4:ECM/Enterprise Contents Management(企業や組織における情報の蓄積、管理、運用を統括的、包括的に行うための技術やシステム)

コンサルティング企業やIT企業にはない強みが、富士ゼロックスにある。

富士ゼロックスがオフィス機器の領域でリレーションを築き上げた超大手企業のクライアントに向けて、課題の発掘からソリューションの企画、デリバリーまで一貫したサービスを展開している。いままで当然だと思われていたビジネスプロセスに、革新の余地が大いに残されているという課題提起は、経営層からの関心が非常に高く、引き合いが相次いでいる。そして他のコンサルティング企業と大きく異なるのは、スコープしている領域はもとより、「言行一致」による提案ができること。富士ゼロックスは『言行一致』を掲げており、自社で企画して創り出したソリューションによって社内でまず業務革新を実践している。したがって、きわめて実現性の高いソリューションをお客様に提供することができ、それは富士ゼロックスの大きなアドバンテージとなっている。
こうした体制のもと、現場の最前線で活躍しているメンバーのひとりが古薗だ。彼は外資系企業やIT企業で金融業界向けのコンサルタントとしてのキャリアを積み、富士ゼロックスがいま変革のタイミングであることに大きな魅力を感じて転職してきた。
「チャレンジしているのは、富士ゼロックスにとって前例のないソリューション提案ばかりです。そこで大きな強みとなるのは、当社の持つ独自技術。デジタルイメージング技術、キャプチャリング技術、コンテンツハンドリング&プロセッシング技術、デリバリング技術などを、企業の業務効率化に上手く取り込むことで、競合企業にはないソリューションを提案することができます」

新たなビジネスを創り出す醍醐味を、これほど存分に味わえる場はない。

また、大きな組織でありながら、社内の連携がスムーズなのも富士ゼロックスらしさだと古薗は言う。
「当社にはR&D、デバイス開発、ソフトウェア開発、システム開発の機能があり、一体感を持ってクライアントと向き合える。自ら働きかければ他部門から積極的に協力してもらえます。たとえばあるメガバンクのお客様に向けて、R&D部門からキャプチャリング技術を、商品開発部門から新たなスキャンデバイスの提供を受け、銀行内の多種多様なドキュメントと、そこにまつわる業務を変革するソリューションを組成して提案。案件を獲得してデリバリーまで担いました。まさに新たなビジネスを創り出していくダイナミズムを実感しています」
富士ゼロックスの新規ビジネス創出はまだまだ始まったばかりだ。社内ではいま変革に対するマインドが大いに醸成されており、新しいことに取り組むことを後押ししてくれる風土があると古薗は訴える。この環境を大いに利用し、他部門をどんどん巻き込みながら、新しいイノベーションを起こしていきたいと意気込む古薗。彼は富士ゼロックスに参画する醍醐味をこう語る。
「富士ゼロックスが抱える多彩なテクノロジーを使って、どんなソリューションが実現できるのか。それを考えるのはとても面白いですし、自分で何か新しい事業を創り出し、それを大きく成長させていきたいという志を持つかたにとって、おそらくいまの富士ゼロックスほどエキサイティングな場はない。優秀な仲間とともに、この組織からぜひ次代の富士ゼロックスの事業の柱を作りたいと思っています」

※記載されている所属部署やプロジェクトはインタビュー当時のものとなります。