富士ゼロックスが創業以来掲げる理念は、「知の創造と活用をすすめる環境の構築」。これまでは複合機やプリンターなどのプロダクトを通してこの理念を追求し、企業のオフィスワークを進化させてきた。そしていま、富士ゼロックスは新たな価値提供戦略“Smart Work Innovation(スマートワークイノベーション)”を掲げ、この理念をさらに高い次元で実現するべく、未知の領域へと果敢に挑もうとしている。ダイナミックに変革を遂げようとしている富士ゼロックスの最前線に迫る。

制約からの解放と専門性の開放で創造性を高め、社会課題を解決する。

富士ゼロックスがいま推進している“スマートワークイノベーション(SWI)”とは何か。社会にどんな価値をもたらし、社会をどう変えていくのか。この戦略を担い、SWIに関する新たな商品やサービスの企画開発を統括する藤田はこう語る。
「スマートワークイノベーションは、『制約からの解放』『専門性の開放』『よりクリエイティブな働き方へ』という3つのコンセプトを掲げています。日々のルーチンワークなどの制約からオフィスワーカーを解放し、属人的な専門性を誰もが活用できるように開放して、より創造的な働き方を実現していくことが我々の描くビジョン。それは少子高齢化による人手不足や後世への技術の伝承など、これからの日本が抱える課題の解決にも繋がっていく。こうしたイノベーションを社会にもたらすことができるのも、富士ゼロックスが長年に渡って培ってきた優れたテクノロジーと顧客基盤があるからこそ。それは他社にはない我々の大きな武器です。」
SWIを実現していく上で、鍵となる重要なテクノロジーのひとつがAI(人工知能)だ。富士ゼロックスはAI研究において日本の最先端を目指して走っている。このスマートワークイノベーションの戦略策定に関わり、現在、コミュニケーション技術研究所の所長を務める増市はこう語る。
「富士ゼロックスは設立当初より、米国XEROX社のパロアルト研究所(PARC)と連携しながらICT領域の研究開発も果敢に繰り広げてきました。PARCは、マウスやアイコンによるパソコン操作や、ネットワークの標準規格であるイーサネット、あるいはIoTのはしりとなるユビキタスコンピューティングなど、コンピュータサイエンスの領域で画期的な技術を次々と世界で初めて発明した有名な研究所。このPARCと協業する当社の研究開発部門も常に最先端を追い求め、AIについても1980年代半ばから研究に取り組んでいます。」

優れた自然言語処理技術を武器に、他が真似できないソリューションを。

増市自身も30年ほど前に富士ゼロックスに入社して以来、これまで一貫してAIの研究に携わり、自然言語処理を専門に究めてきた。過去にはPARCに駐在して共同研究を行った経験もある。こうした技術の蓄積により、自然言語処理についてはいまや国内トップレベルにあり、公的機関が実施した固有表現抽出技術のコンペティションで、並みいる大手ITベンダーを凌いで国内1位の成績を上げたこともある。
「高度な自然言語処理技術は我々の大きな強みであり、こうした当社ならではの技術で他に真似のできないソリューションを提供し、オフィスでの生産性や創造性を向上させていく。それがスマートワークイノベーションの根底にある思想です。たとえば『専門性の開放』などは、まさにこの自然言語処理技術が大いに活きるテーマ。お客様が抱える膨大な文書の中から、関連する語句を我々の自然言語処理技術で抽出し、それらを紐付けてオントロジー(知識をさまざまな概念間の関係として体系づけて表現し、コンピュータで処理可能としたもの)で体系化することで、従来は専門家の知識や経験に依存していた情報検索が誰でも可能になる。お客様の業務のあり方そのものを劇的に変えるはずです。」
このほかにも、製造業や建設業のお客様が保有する図面のさまざまな場所に記載されているコメントから、AIで指定の文字列を抽出して設計変更などに迅速に対応できるソリューションや、あるいは生命保険会社のお客様に向けて、保険加入時の医師の手書きの診断書をAIで解析して難解な傷病名を認識し、コンピュータで処理できる形にして保険契約の是非の判断を容易にするソリューションなども開発。現在、さまざまなお客様のもとでPOC(概念実証)が実施されており、すでにサービスとして実用化された事例も続々と生まれている。

AIを究めたい方も、事業を創りたい方も、チャンスが溢れている。

スマートワークイノベーションをいっそう強力に展開していくために、富士ゼロックスは新たな人材をいま広く求めている。AIに通じた技術者もまだまだ必要であり、研究所を率いる増市はこう語る。
「機械学習や深層学習などを究めるには、いかにたくさんのデータを扱える環境に身を置くかが非常に重要だと思います。富士ゼロックスはこれまで、複合機やプリンターの提供を通して実に多くのお客様とリレーションを築いており、さまざまな企業が抱えるデータに触れて課題を解決できるポジションにある。技術者とお客様との距離も近く、ただ理論やツールの研究開発だけに終始するのではなく、それをリアルなビジネスの現場で実践して自分の技術が世の中でどう貢献していくのか、成果を実感することができる。それは富士ゼロックスでAIの研究開発に挑む大きな醍醐味だと思います。」
そして、研究開発部門と密に連携しながら、実際にSWIを実現する商品やサービスを企画している藤田は、これから必要とされる人材についてこう話す。
「富士ゼロックスのテクノロジーと顧客ネットワークをもとに、スマートワークイノベーションを実現できるフィールドは、社会の中にまだまだいくらでも存在しています。その機会を発掘し、お客様を巻き込んで事業化していく、そうした企画力や推進力を持った方にぜひ参加してほしい。また今後は、我々がAIで導くお客様のデータの価値を最大化できるような知見を持つ、国内外の他の専門企業とのアライアンスも積極的に図っていきたいと考えており、こうした事業開発ができる方も必要。いまの富士ゼロックスには不足しているタイプの人材であり、これから参画される方に大きな裁量を委ねたいと思っています。」
これからの富士ゼロックスは、本当にエキサイティングな仕事に挑戦できるチャンスに溢れている。意欲と能力のある方とともに、ぜひこのSWIで社会をより良く変えていきたいと、藤田と増市はそう熱く語る。

※記載されている所属部署やプロジェクトはインタビュー当時のものとなります。