技術者として転機となった、アメリカ出向。

大学で機械工学を学んだあと、大学院で生命工学を学んでいました。当時は新設されたばかりで、なにに使われていく技術なのかみんなよくわかっていなかった。当社に入社したのは、そんな当時からDNAの塩基配列を自動的に読み取るための装置であるDNAシーケンサを開発していたことに興味をもったからです。入社後は研究機関向けのタンパク質などを分析する装置に機械設計として携わり、その後はDNAシーケンサや解析装置などを担当。機械、電気、システムなどハード面を開発するチームのとりまとめなどをしていました。それでも私の意識はあくまでも純粋な機械設計の技術者。それが変わったのは、2012年からの3年間のアメリカ勤務。アメリカの企業がソフト面を担当して共同開発しているDNAシーケンサで、日本側が担当しているハード面における技術的なトラブルサポートという役割でしたが、実際には日本側の窓口としてなんでも話がやってくるし、なんでも対応していました。私が日本の代表みたいなものなので、専門外のアプリの話もやってくる。そんな環境でやっているうちに、いつの間にか装置全体を見るようになっていましたね。アメリカでは装置を使っている現場を近くに実感できたことも、大きな刺激でした。使っているお客様の声が届き、自分が携わった装置が使われているのだとはっきりと思える。技術者としてユーザーを意識してからは、今までとは少し違った視点でモノづくりをするようになりました。

図面の仕様を具現化するだけでは、いいモノはつくれない。

2015年に帰国してからは、DNAシーケンサの開発プロジェクトに参加しています。今の立場のおもしろいところは、装置全般にかかわれること。この装置がどのように使われて、お客様はどうすれば使いやすいのか、そういった視点で考えたことを実現していける。昔は仕様をどう具現化するのかに注力していましたが、アメリカにいったことで全体がよく見えるようになって、今は仕様書にはない視点も大切にしています。ハードの技術者は最後の性能評価までかかわることは少ないのですが、今の立場だと実際に使ってみて、細かな動きまで改善していけます。一緒に働く仲間ともオープンに議論でき、設計レビューやブレストが頻繁に行われるなど、技術者として働きやすい環境だと思います。製品をつくることは一人ではできませんから、私自身コミュニケーションは大切にしていますね。他分野の技術者はもちろん、調達、製造、品質保証、組み立て、原価管理には経理、法令の担当者などいろいろな人とかかわり、助けてもらっています。開発の現場に戻ってみると日々が忙しく、あまり世の中の動きや外の世界が見えなくなりました。技術者はたまには外に出て、市場やお客様のことを知る必要があると思っています。ですから、いずれはもう一度アメリカにいってみたいですね。
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