社会人学生として工業大学で学んだのが転職のきっかけ。

私は工業高専で機械電気工学を専攻して自動車電装品のメーカーに就職。生産企画部門で10年ほど、原価計算や生産ラインのレイアウト設定、生産国の決定といった業務に携わってきました。
コストと生産計画の最適化をメインに品質管理(QC)に関わるなかで、もっと知識の幅を拡げたいと思うようになり、会社の制度を利用して工業大学に社会人枠で入学。先端技術を探究するフロンティア研究室に所属し、派遣留学生として勉学に励みました。

異業界から社会人枠で来ている方たちと交流する機会も多く、先端材料やITに関心があった私は、なかでも半導体に関わる話が新鮮で触発されました。研究室でも弊社グループ会社の測定機器を使っていたので興味が湧き、半導体領域の先端技術はとても高度だと聞いて、転職を考えるようになったのです。それだけに、日立ハイテクの中途採用を知ったときは、ぜひ応募したいと思いました。未知の業界のうえ、募集職種も未経験の品質保証(QA)だったので不安はありましたが、『自分が求めているスキルを得られる。きっと大きくキャリアアップできる』という期待感のほうが強く、思い切ってチャレンジしたのです。



手厚いサポートのおかげで、異業界・異職種の壁を乗り越える。

日立ハイテクに入社して恵まれていたのは、転職者を受け入れる体制が整っており、中途入社のメンバーが数多く活躍している環境です。まず初めに、中途採用者向けの入社式があることに驚きました。その後の製品研修は1年間で、私は半導体製造プロセスで生じるプラズマやラジカルなどの物理原則を大学で学んでいたこともあり、スムーズに理解を深めながら、エッチング装置の知識を多角的に吸収していきました。同時並行で、部署でのOJTにより品質保証業務の実務を学び基礎を固めました。とはいえ、QAはお客様に出荷する製品の品質を保証するミッションを担っているため、半導体製造の国際規格SEMIスタンダードやISO、および各国の法令を順守する必要があり、当初は習得に苦労しました。
ただここでも2年目に上司から、日本規格協会のISO/IEC国内事務局業務を実地体験する機会を用意してもらえたので、実践的な知見が身につきました。ISOは会社の事業全体に関係していますし、QAは立場上、ISOやSEMIの業務を通して様々な部署のメンバーと関わります。風通しのいい風土のもと、積極的に足を運んで顔を覚えてもらうように努めて、人脈を拡げてきました。気がつくと、いつの間にか異業界・異職種の壁を乗り越えていた感じで、手厚いサポートのおかげだと感謝しています。ちなみに前職では、生産国別のばらつき分析や相関性評価といった業務で、定量的なエビデンスが求められましたが、こうしたQCの手法による資料作成や改善提案、また世界同一品質を目指した工程設計の経験や考え方はQAに通じる要素が多く、特に現在の統計分析業務に活かせていると感じています。



海外現地対応、DX、データサイエンスなど、挑戦したいことばかり。

現在は、製品出荷時の検査、不具合の解析、開発部門へのフィードバックのほか、検査設備の自動化や検査記録のデジタル化といったDX(デジタルトランスフォーメーション)も手がけています。機械・電気・材料等のハードウェアと組込み制御やバグフィックス等のソフトウェア、さらにデータ分析、規格・法令の順守、プロセスやテストのフローに至るまで、多岐にわたる知識・技術が求められる仕事です。

具体的な事例では、顧客先でしか発生しない不具合に対する取り組みが印象に残っています。顧客と直接対応している現地スタッフと連携し、実機を使って検証を行ったのですが、現象を再現できず、解決の糸口が見つかりませんでした。模索する中で「そうだ、百聞は一見にしかずだ」と気づき、関連するパーツのサプライヤに出向き、組立ラインや研究所で分解評価や工程確認に立ち会って調査を進めました。その結果、誰も気づいていなかった、新しいエラーモードが発見され原因を突きとめて対策を打てたのです。自分が主体となって現地製品担当やサプライヤを巻き込み、部門横断型の活動をリードして問題を解決できたわけで、QAとして成果を挙げて成長できたと嬉しく感じました。いずれ海外に出張してお客様と折衝する機会もあるでしょうし、データサイエンスをQAに適用するなど、挑戦したいことばかり。スキルアップ支援体制も充実しているので、ますます自分を高める道が開けていくと期待しているところです。



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