素材系事業について

社名のとおり、鋼材メーカーである神戸製鋼所ですが、大正時代から銅材の生産を、1937年にはアルミ事業をスタート。1955年には、国内初の金属チタン製造を開始しました。国内大手の鋼材メーカーであると同時に、アルミ・銅メーカー、チタン総合一貫メーカーとしての顔も持っているのです。また、それらを加工する溶接事業でも、長年トップメーカーとしてノウハウを蓄積してきました。

世界最高強度を誇る高張力鋼板(ハイテン)をはじめ、それぞれの分野で神戸製鋼所らしい独自の技術で勝負しています。また、様々な素材をフラットな視点で扱えることは、神戸製鋼所の大きな強みとなっています。

その強みを活かして、現在、力を入れているのが、自動車や航空機といった輸送機の軽量化への取り組みです。超ハイテンなどの最先端の素材と、それらの接合技術を武器に、グローバル市場でのシェア拡大を目指しています。

素材系事業で働く魅力

素材系の事業には、鉄鋼事業、アルミ・銅事業、溶接事業の3部門がありますが、私がいる「技術開発本部」は、そのどれにも属さない横断組織です。神戸製鋼グループの成長戦略を支える技術力の向上を目指し、事業部門を跨いで先端技術の研究や提案を行っています。当社のように鋼とアルミと銅を同じように扱える会社というのは、世界でも珍しく、少なくとも国内にはありません。「技術開発本部」は神戸製鋼所らしい組織の一つだと言えるでしょう。

現在私は、自動車のマルチマテリアル化に向けた接合技術の研究を担当しています。昔は鉄のかたまりだった自動車も、今ではバラエティに富んだ素材を採用しています。そこで課題になるのは、違う素材同士をどうつなぐか、という点です。同じ鋼材同士でも強度が高くなると接合に問題が生じます。違う素材となれば、なおさらです。ただ、異材接合技術は日本ではあまり育っていない分野。だからこそ、当社の出番というわけです。
実は、神戸製鋼所は、溶接の分野では世界でもかなり有名なんです。国内の溶接や接合の研究拠点としては民間トップクラスだと自負しています。つい最近も、アルミと鋼の新しい接合方法を2017年4月にドイツで、そして5月に日本で発表しました。発表後のメディアの反応からも、注目を集めている技術だということを感じています。

新素材はこれからも登場すると思いますが、人のくらしを支える基盤素材は、安価で強靭、かつ加工がしやすい鉄であり、金属であり続けるでしょう。だからこそ、金属と金属、金属と非金属といった接合へのニーズはより高まると同時に難易度は高まっていくように思います。接合とは、名前のとおりつなぐ技術です。鋼と新しい素材をつなぐ。異種産業をつなぐ。つなぐ技術を、新しいビジネスの創造へとつないでいく。それが私の目標です。