PROFILE
工学部電気電子情報工学科を2011年に卒業。鉄道会社に就職し、鉄道に関わる 電気・通信工事の設計に従事。14年夏に三菱電機に入社。鉄道変電プラントの品質管理、 鉄道用周波数変換装置の設計・製作などを経験して基礎を固め、17年4月から現職。

三菱電機のものづくりに憧れて転職を決意

私は新卒で鉄道会社に入社しました。電気・通信工事の設計に関わり、社会インフラを支えている充実感はありましたが、一方で、こちらが依頼した高度な技術を要する仕様を、期待通り、時には期待以上に仕上げてくれるメーカーに憧れを感じるようにもなりました。

多くのメーカーとお取り引きがありましたが、なかでも三菱電機は特別な存在。限られた予算の中で高い性能を求めることも多く、「できません」と他のメーカーから返事がくることもありましたが、三菱電機はいつも「何とかできるように頑張ってみます」と応えてくれ、最善を尽くしてくれるスタンスが印象的でした。

鉄道会社はあくまでもユーザー側。ものづくりにもっと深く関わり、社会に貢献していくエンジニアになりたい、と転職を決心できたのは、そんな三菱電機のエンジニア達を見てきたからなのかもしれません。それだけに、三菱電機がキャリア採用を行っていて入社できたのは、願ってもない幸運でした。

新幹線の周波数変換装置を更新する大規模プロジェクトに参画

東海道新幹線は交流60Hzで走行していますが、東日本は交流50Hz地域なので、周波数変換を行っています。そして今、周波数変換変電所にある従来の機械式の変換装置を、コンバータやインバータを活用した静止形に更新する、数十年に一度の大がかりな取り組みが進んでいます。三菱電機はそのうちの1台を受注。2021年3月の稼働開始に向けて、7年がかりのビッグプロジェクトを推進しているところです。

私は入社後、交電機器の品質管理とTMEIC(東芝三菱電機産業システム)での機器設計・製作を経験。現在は、変電所のプラント設計やプロジェクト全体を統括するグループで活動しています。在来線は主に直流なので、前職では交流の経験がなく、実機に触れる品質管理から機器づくり、プロジェクト担当と、ステップを踏んで成長できるよう配慮してもらえたことに感謝しています。

特にTMEICでは、ある変電所の変換器をつくったのですが、詰めの試験が大変でした。工場では模擬できず、現地で動かして初めて分かることがあるため、終電の後から始発までの夜間に、何ヶ月も試験を行います。様々な状況を想定し、決してトラブルが起こらないよう問題点を潰していく。変換器は新幹線に電力を供給する主役のような存在ですから、厳しい試験に合格して運転開始になったときは、非常に達成感がありました。

「三菱電機につくれないものはない」というプライドを胸に

実際に三菱電機で働き、多くの製作所とやり取りするほどに、「三菱電機につくれないものはない。どんな要望にも応えられる」という自信が深まっています。多様な技術のエキスパートが揃っているうえ、『いかに要望が厳しくても、何としてでもつくり上げるのが、自分たちの使命なのだ』という熱い気持ちが、ひしひしと伝わってきて、これこそが三菱電機の色なのだと誇らしく感じます。

ここで働くモチベーションの源泉のひとつとして、社会への影響力の大きさが挙げられます。東海道新幹線の安定運行の一翼を私たちが担っているという想いは、全員に共通するプライドだと思います。もうひとつ、モデルになる上司の存在も大きいですね。TMEICでも今の部署でも、何を聞いても教えてもらえるリーダーや課長が揃っており、距離も近いので、オンオフを通して気兼ねなく話せます。

こうした恵まれた環境のもと、「つくれないものはない三菱電機のものづくりを、より人と社会のために役立てていく技術者」を目標に、私は前進を続けています。