世界中の人々の生活を豊かにするために、 私たちの製品・サービスがある。

私は現在リビング・デジタルメディア事業本部の戦略推進を担っていますが、入社以来、中津川・京都・静岡製作所、本社の業務部など30年以上、広く深く三菱電機の様々な畑を見てきました。

今振り返って改めて感じるのは、空調冷熱システム事業はもちろん、全ての事業が企業理念である『三菱電機グループは、技術、サービス、創造力の向上を図り、活力とゆとりある社会の実現に貢献する。』の通り、三菱電機は人々の生活をより豊かにする商品を作り、持続的な社会に貢献するために様々なエネルギー問題と向き合ってきたと思います。
総合電機メーカーだからこそ電気のつくり方、送り方、使われ方、その全てを知っています。その特性を生かし、空調に加えて、FA・昇降機・換気・照明トータルでの省エネ提案を推進していきます。

今回募集しているのは空調冷熱事業ですが、企業として電気に携わるビジネスの川上から川下まで携わっているので、広い視野でものづくりができ、社会的意義を実感しながら仕事に取り組むことができます。

2020年に向けての次の1歩。

三菱電機は2020年度に創立100周年を迎えますが、大きな節目を迎える年の売上目標は5兆円。
その中でも私たちのビジネスは一番大きい構成比を占めており、三菱電機全体でも空調冷熱システム事業の躍進は非常に期待されています。
2015年には「Advance & Innovation 2020」という成長戦略スローガンを掲げました。
これは既存事業の強化・拡大と新規事業の創出・強化により、空調冷熱システム事業の次の未来を拓いていこうというもので、具体的には「世界各国でのローカライゼーションの推進」と、「製品群拡充などのソリューションの強化」です。

ローカライゼーションとは、それぞれの地域に根差したマーケティング・開発・製造・販売・保守を展開していくこと。
特に空調は国の気候、住居環境、経済の発展ステージになどにより必要とされているものが全く異なります。
私たちは各地で独自にマーケティング調査を行い、その地域に適した製品を提供しています。

製品群拡充などのソリューション強化では2015年にイタリアのデルクリマ社を買収しました。
これにより大型業務用空調への本格参入・拡大をしていきます。
単なる売上拡大だけではなく、大型の空調を持つことによって大規模なビルに三菱電機の製品をトータルで提供~アフターケアまでできるようになり、これは会社としても非常に大きなアドバンテージとなりました。
このように市場環境を見据えて、当社の強みを再構築し、2020年に向け着実に歩みを進めています。

次の1歩を作っていくのは、みなさんです。

みなさんの勤務地となる静岡製作所という観点でいうと、ここはマザー工場であり技術を磨きこむ要でもあります。
私は静岡製作所の所長経験があるので思い入れも強いのですが、円高の時も海外に生産を持っていかずに静岡でルームエアコンを作り続けました。

エアコンの心臓部にあたる圧縮機についても、私たちのルームエアコンには全て当社製圧縮機を搭載しております。
様々な議論はありますが、ここには並々ならぬこだわりがあります。

また、静岡製作所には当社の生産技術を結集した一貫全自動化された熱交換器製造ライン等、当社独自の工作機械が多数あり、
製品技術だけでなく、生産マネジメントにおいても最新の設備・ノウハウがあります。

そして、ここで蓄積したノウハウ・技術は世界各国に移植していかなければなりません。
先にお話しした通り、世界各国でのローカライゼーションはドンドン進めていきますので、ぜひみなさんがその牽引役になっていただきたいと思います。

これまでを否定し、チャレンジし続ける。

三菱電機のチャレンジ精神を表す製品として2015年秋に発売した「霧ヶ峰FZ」があります。
これまでのエアコン本体は薄型化が一つの価値であり、三菱電機は円筒型の「ラインフローファン」の開発によってこれを成し遂げ、世の中のスタンダードとして広めてきました。
しかし近年では薄型化も限界があり、それよりも省エネ、快適性が求められるようになりました。

そこで私たちが考えたのが内部構造の一新。
過去に築いた「ラインフローファン」そのものから見直し、新たにプロペラファンをつくりだしました。
このプロペラファンを上部に2つ、左右独立駆動で配置し(パーソナルツインフロー)、熱交換器をW字型とすることで小型化と高出力・高効率を実現。
約7年の試行錯誤の結果、通常5年掛かりの省エネ改善を1年で実現し、省エネ大賞も受賞しました。

また、左右独立駆動の2つのプロペラファンを最大限に活かす、「ムーブアイ極」という高精度赤外線センサーにも最先端技術が詰まっており、個々の体感温度を感知し二気流の風でふたつの温度空間をつくります。
7年もの歳月が掛かりましたから、まだまだここには書ききれない苦労、葛藤がありました。
しかし、エンジニアが決して諦めず新たなイノベーションに挑んだ結果、歴史を塗り替えた画期的な製品が生まれたと自負しています。

ルームエアコンは成熟しているマーケットですから、土俵を変え、過去を否定し、常に新たな発想で戦っていかなければ競合に勝てない。
研究開発費も年々増やしており、今後もこのようなチャレンジを続けていきます。

※ 役職・記事内容等は、取材当時のものです。



~最後に~

三菱電機は総合電機メーカーの強みである
部門間連携、水平展開など横の繋がりが一層強くなっています。

元々、議論を積み上げていく企業風土なので、
熱意のある人であれば、
自ら手を挙げ裁量の大きな仕事に挑めると思います。

日本と、世界で、まだまだできることはあります。
情熱的な人と一緒に仕事ができるのを楽しみにしています。

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空調冷熱システム事業戦略

内容 1. 家庭電器事業概要、事業の位置づけ / 2. 空調冷熱システム事業戦略 / 3. 市場環境 / 4. 当社の強み / 5. 事業戦略(事業ユニット別) / 6. エリア別市場戦略 / 7. 開発 製造戦略


注) 上記資料は2015年11月24日時点のものです。