伸び続ける半導体市場で、
製造装置も進化していく。

半導体市場は、これからも確実に大きくなっていきます。今や世界のどこでもスマートフォンが必要とされる時代。AIやIoTといった技術によって、情報や情報を扱う規模は大きくなり続けていますから、半導体が世の中に必要とされる絶対数は確実に伸びていきます。その結果、高性能な半導体を製造する装置も、今よりも必要とされる。世界の人口が減少しない限り、半導体市場は伸びていくと思います。

ただし、PCやスマートフォンを持つために必要な年収は400万円から500万円と言われており、世界にはまだそこまでの収入がない方もたくさんいます。そういった層がプロダクトを購入できるようになるには、更なる半導体のコスト低下が必要でしょう。これまでは半導体製造装置が、加工性能の微細化を追求すれば、お客様の生産性も上がり、コストは下がっていました。けれど、半導体の積層化などの構造変化により、今後は微細化するだけでは生産性の向上もコストの低下も実現できません。装置の性能だけではなく、コストを意識した今までにない発想の技術開発が今後求められると思いますね。

装置の性能と生産性を追求し、
世界のシェアNo.1を目指す。

コストには様々な意味があり、着眼点も様々です。たとえば装置を小型化すれば、同じ面積で今までよりも多くの在庫を持てることになります。リードタイムを短くする、ランニングコストを安くする、部品の点数を少なくして軽量化する、など本当に様々なことがあります。今後は装置の性能はもとより、自社の工場の生産性やお客様の生産性改善を提供していくことが、装置メーカーにとって重要になってくると考えています。

私は常々、「装置の性能を高める」、「お客様の生産性を高める」、「自社工場の生産性を高める」という三本柱が大切だと言っています。装置の性能が高いことは前提として、周辺の付加価値を高めていくことが他社との違いを出すことにもつながっていきます。これは装置のハード面だけではなく、プロセス開発も同じです。

プラズマエッチング装置はチャンバーと呼ばれる真空容器のなかで、プラズマによって生成された活性粒子とシリコンなどの固体材料を化学反応させ、不要部分を揮発・除去していきます。プラズマを用いたエッチングは物理化学反応がベースですが、更なる性能の追求のために、これまでのプロセス開発の考え方からは外れるような技術にフォーカスしていくような動きも出てきています。プロセス開発に成膜のプロセスであるデポジションを取り入れて、表面反応そのものを変えていくような新しいやり方もそのひとつ。こうした理論は昔からあったものの、微細化の追求によって装置の性能が高くなってきたからこそ、挑戦できるようになりました。

装置の性能と生産性を追求していくことで、どこよりも喜ばれる技術をつくる。結果、それが世界の舞台で圧倒的に勝てる装置へとつながっていくと思います。

エンジニアとして常に好奇心をもって働ける、
常に新しい発見ができる。

半導体製造装置は、あらゆる技術が使われている技術の総合デパートです。メカトロ、電気、情報、プラズマ、温度、材料、化学など挙げていけば際限がありません。だからこそ、まずは自分の強みとする経験を入り口に、幅広い技術に携わることができます。何より大切にして欲しいのは「イマジネーション」。モノづくりを進めていくなかで、「どうしてこうなる?」「確かめてみたい」という気付きや好奇心を持って仕事に臨めるなら業界や専攻を問わず活躍できるはずです。言われたことをこなすのではなく、日々新しいことが起きる環境で好奇心を持って働き、発見や学びを得ていく。そんな働き方をしたいエンジニアは、当社にぴったりです。

半導体製造装置はお客さまごとに違う仕様、半導体の製造工程、装置の世代によって求められるプロセスは違い、最適なプロセスを開発するまでの不確実性と自由さこそが面白さ。求められる技術の幅広さ、物事の考え方など、技術的に様々な選択肢があるなか、開発をゴールに導いていくことでエンジニアとしての実力も磨かれていきます。なにかひとつの技術分野に特化することもできるし、複数の得意を組み合わせて新しいものを生み出すこともできる。エンジニアとして追求していくことができる選択肢が無数にあります。

転職活動中の方へメッセージ

当社では新卒・中途や年次など関係なくアイデアをどんどん発信していくことができます。柔軟で多様性があるカルチャーが、現場レベルの気づきを実際の開発にどんどんと取り入れていく環境をつくっています。
私は異業界の視点や経験からもたらされるアイデアこそ、常識を破るイノベーションにつながると思っています。そのために出る杭は伸ばす、というのがポリシー。なので、中途入社の方が前職で培った得意分野・エンジニアとしての個性を大いに発揮し、アイデアをどんどん発信いただくことを期待しています。

また、装置が進化すれば半導体が進化し、電子産業が進化する。進化して、その機能が増えれば世界の方々の利便性や豊かさを支えることにつながります。一例を挙げると、離島の診察を遠隔から行う医療が実現できたりします。私たちの仕事は表には出ませんが、人類の健康と平和に貢献する縁の下の力持ちだと思いますし、そういった仕事に関われるやりがいも非常に大きいと思います。ぜひ興味のある方はチャレンジして欲しいですね。

Profile

東京エレクトロン宮城 シニアフェロー 永関/
1988年新卒入社

工学部電気電子学科卒。研究室では電気物性を専攻し、イットリウム系超伝導体(YBCO)の物性計測などを研究する。東京エレクトロン入社後の配属は、フィールドサービスエンジニア。その後、開発部へと異動してハードウェア設計とプロセス技術開発の両方を経験。東京エレクトロン宮城の立ち上げと同時に初期メンバーとして山梨より異動し技術開発センター長を務めたのち、2020年より現職。