エレキエンジニアの領分にとどまらず、幅広い仕事ができる。

前職は家電メーカーのエレキエンジニアで、装置の基盤に部品を実装する業務に従事していました。エッチングの知識はまったくなかったのですが、当社で働いているエンジニアの仕事の幅広さに惹かれて転職を決めました。エレキエンジニアとして常に装置全体のことを考えられる。そんな自由度の高さが、当社のモノづくりの現場にはあります。配線ひとつとっても装置全体のことを考えた設計を任され、ユニットの選定や構成そのものを考えることもできます。半導体製造装置に求められる要求性能は、常に世界でも最先端。東京エレクトロン宮城で言えば、エッチング装置で製造する半導体に使用する300mmサイズのウェハーの歩留まりを100%に近づけるために、プラズマガスをどうやって均一に制御するのか。あるいは半導体のサイズにナノレベルが求められるようになってきた今、どのように装置を改良するのか。そういった課題に向き合うには、エレキエンジニアとしても他分野の知識が必要となります。モノづくりを通して未知の世界へ挑戦ができ、エンジニアとしての知識や技術の幅が広がっていくことを実感できる環境ですね。
現場には、奥が深く、ワクワクするモノづくりがある。

当社の半導体製造装置(エッチング装置)の技術的な特徴のひとつは、やはりプラズマを使うということだと思います。エレキエンジニアも場合によってはプラズマを制御する作業に携わりますが、プラズマは非常に奥が深く難しいものです。プラズマそのものを制御するのではなく、プラズマを発生させる空間にガスを流入させて空間圧力を制御するのですが、ガスの流量やタイミング、温度など、わずかな違いでも結果は大きく違ってきます。とりわけ安定的にプラズマを制御するために必要な装置のプロセスチャンバーと呼ばれる機構の設計には、エレキエンジニアの視点が不可欠です。そのため分野ごとの壁を超えて、メカエンジニアと意見を交わしながら設計をしていくこともありますね。私は大学で機械科を専攻してメカエンジニアの経験もありましたから、そこで培った技術や知識がとても役立っています。技術的な経験も重要な要素ですが、まず必要なのは知ることへの興味や欲求。自分が知らないことに対して、面白そうだと思えるか、ワクワクできるか、といったことが大切です。それがあれば仕事をするなかで新しい学びを次々に得ることができると思います。