半導体を進化させるモノづくりは、
未来の社会をつくるモノづくり。

現在の社会で広く使われ、量産されている半導体ですが、私がいまプロセスエンジニアとして開発を担当しているのは、さらに微細化された最先端の世代です。およそ10年先の未来社会を見据えた半導体ということになります。これくらい先の話になると、お客様からの技術的な要望を取り入れるだけではなく、未来の社会がどうなっているのか、どんなサービスやプロダクトが普及し、人々の生活がどう変わっているのか。最新の情報を収集しながら予測し、アイデアを考える必要があります。まったく注目されていなかった技術が急に重要になることもあり、先端開発には次になにがくるのか予測できない面白さや難しさがありますね。プロセスエンジニアと一口に言っても、私が担当しているような先端技術の開発もあれば、お客様のFabで本格的に量産が始まる前の量産検証や、量産イシューの解決など様々な役割があります。お客様の多くは海外の大手半導体デバイスメーカーですから、私がそうだったように海外に赴任して、お客様先で装置の開発や立ち上げに携わることも珍しくありません。

先端開発も量産も、
すべてがつながっている。

当社のプロセスエンジニアは、最先端の技術開発から本格的な量産が始まろうとしている世代の量産検証や問題解決まで、ローテーションをしながら経験を積んでいきます。先端開発には実現すれば未来の社会そのものをつくっていくことにつながる、面白さや難しさがあります。量産には求められるスペックや生産性を実現するために、お客様と一体になって具体的な技術課題や量産の問題点などを追求し解決していく面白さや難しさがあります。そこには業務の違いはあれど、上下はありません。先端技術ばかりを追い求めて生産性が犠牲になっては意味がありませんし、量産段階の問題は必ず解決し、フィードバックされて次世代の装置開発に活かされます。そういった循環によって、世界最先端の半導体製造装置のプロセス開発が行われています。特に海外に常駐していると、自分自身が会社の顔です。毎日のようにお客様と顔をあわせて直接話をし、ガスやプラズマの調整、パフォーマンスを向上させるハードウェアの改善まで、様々な要求に対応します。その結果、次世代の半導体がお客様から世の中に発表される、量産の問題点を解決して半導体が市場に出る、最先端の半導体工場に無数の装置が並ぶ、そういった瞬間はプロセスエンジニアとして大きな達成感を覚えると思います。

顔を合わせて会話する。
そこからしか得られないものがある。

プロセスエンジニアとして私が感じる大切なことのひとつは、お客様と直接話すこと。TV会議や電話などでコミュニケーションすることも可能ですが、信頼関係を築いて本当にコアな情報を得るには、やはり顔を合わせて言葉を交わすことです。現地の工場で議論し、共に試行錯誤し、技術的な課題を乗り越えていくことでしか築けないパートナーシップというものが、確かに存在します。仕事で良い関係性を築くことで、プライベートでの付き合いも自然と生まれます。私もアメリカに駐在していたときには、一緒に仕事をするお客様先の社員や会社の同僚たちと、ホームパーティやBBQに参加したりましたし、子どもに手編みのセーターをもらったこともありました。帰国するときも盛大なパーティを開催してもらい、いまでもアメリカに出張して顔を合わせれば話がはずみます。最新の技術に関する相談なんかも、気軽にしたりしています。異文化のなかで仕事をし、そういった仲間をつくれたことはとてもよい経験でしたね。当社のプロセス開発は、単に持っている技術を売り込むのではありません。こうした関係性をつくりながら、お客様が本当に必要としていることを見つけ出し、技術やサービスを一緒につくっていくスタンス。これが世界で評価される、私たちの強みのひとつですね。私もお客様のためのモノづくりができることが、一番のモチベーションになっています。当社には半導体未経験で転職してきた社員も数多くいますし、1年くらい研修とOJTで経験を積めば基礎は大丈夫。最先端のモノづくりや、海外でのキャリアに興味かあるのなら、プロセスエンジニアにぜひ挑戦してほしいですね。

Profile

プロセスエンジニア・グループリーダー 森北/
2001年新卒入社

電気工学科卒。大学院では電子系を専攻し、半導体の成膜に関する研究を行う。入社後は一貫してプロセス開発に携わり、取引先である大手半導体デバイスメーカーの工場に常駐するかたちで、約10年間をアメリカで過ごす。帰国後は次々世代の半導体を製造するための、最先端の技術開発を担当している。