「検査・計測技術」の進化で、
東芝メモリのビジネスに大きなインパクトをもたらす。



数百にも及ぶ緻密な工程を経て完成する最先端のメモリ製品。東芝メモリの検査・計測エンジニアは日々、そのすべての製造プロセスを技術の眼で厳しくチェックして、ものづくりの最適化を支えています。ここでは四日市工場で活躍中の5名の技術者に、検査・計測業務の実際と働きがい、人や風土についてリアルに話してもらいました。

Profile

先端メモリ開発センター T.S. 2014年新卒入社。理学部物理学科で半導体のデバイスシミュレーションを研究。自然な流れで半導体業界を志望して、東芝メモリに入社。大阪府出身。

先端メモリ開発センター D.S. 2016年新卒入社。大学院物理工学科で、分光手法による物質中の電子の状態などを観察。半導体との関連はなかったが、検査・計測への興味から入社。

第二生産技術部 R.Y. 2012年キャリア入社。工学部機械工学科で走査型プローブ顕微鏡の計測技術を探究。光学メーカーで8年ほど、フォトマスクの生産技術を経験して転職。

第二生産技術部 Y.T. 2004年新卒入社。大学の専攻は論理学・統計学など数学系。半導体は未知だったが、ものづくりならどんな分野でも数学の考え方を活かせると思って入社。

フラッシュ製造技術部 S.S. 2007年キャリア入社。工業高校電子工学科卒。一度はエンジニアとは異なるキャリアを歩むが、技術職への強い思いから再度チャレンジした。

※座談会の内容は取材時のものです。(2018年7月取材)

01 技術力への関心、人や風土の魅力、ご縁……
入社の動機はさまざま。


- 皆さんが東芝メモリへの入社を決めた経緯からお話しください。

T.S. もともと私は、日本の産業の役に立ちたいと望んでいました。半導体は産業の米と言われるでしょう。半導体メーカーが元気に活動していれば、日本が元気になると思って、当社を志望したのです。メモリ製品の市場規模は今後も拡大を続けると期待できたし、面接官の方がとても知的で、学生ながら力のある技術者が揃っていると感じたのもポイントです。

D.S.  ここ四日市工場で1ヶ月間のインターンシップを体験したのがきっかけです。半導体製造装置から出力されるデータの解析業務に携わるなかで、若いうちから責任ある仕事を任せてもらえる、何でも自由に発言できる会社だと実感しました。肌で触れた当社の人と風土が、私には何よりも魅力でした。

R.Y.  前職の光学メーカーで、私は半導体回路原版のフォトマスクをつくっていました。でも、一品一様の多品種少量生産だったので、もっと大規模な設備の中で、大量に生産できるものづくりにチャレンジしたいと思うようになり、前職の製品を使う側・かつ巨大な生産力を誇る当社への転職を決意したのです。

Y.T.  私は大学を出てすぐ、ある事情からキャリア枠で就職活動をすることに。学生時代には数学系の専攻でしたので、製造業ならば必ずどこかで活かせる!という思いで企業探しをしていましたね。そんな時に出会ったのが東芝(当時)で、運よく入社することができました。入社後もご縁に恵まれて、メモリの回路図設計、製品技術、プロセスインテグレーション、インラインでの工程管理など、いろいろな業務をローテーションで経験しながらキャリアアップしています。

S.S.  最先端技術の半導体産業に関心があり、最初は派遣社員として四日市工場で働いていました。半導体製造の現場に身を置くなかで、もっと勉強したい、スキルアップしたいという気持ちが強くなり、正社員募集に応募して入社しました。
02 多岐にわたる検査・計測の業務。
どれもが重要な役割を担っている。


- いま取り組んでいるのは、どのような検査・計測業務ですか。

S.S.  四日市工場の製造出力を最大限に高め、当社の製品を全世界に大量に供給していくのが、フラッシュ製造技術部のミッションです。なかでも私が所属している検査・計測グループは、全製造工程の検査装置を対象に、パフォーマンスを適切に維持・管理して精度を担保する役割を担っています。
半導体の製造ラインでは、加工処理の工程が完了する度に検査・計測を行い、データを加工装置にフィードバックしてパラメータを最適化するシステムが導入されており、検査・計測工程は半導体製造プロセスの30%以上に達する重要なウエイトを占めています。私のチームはウェハの外観検査装置を担当しており、表面や裏面、端面の仕上がりを厳格に見極めながら、少しでも問題があれば早期の発見・解決を図っています。

Y.T.  生産技術部で、新製品の量産立ち上げ期にフォーカスして、歩留まり改善のためのデータ解析を行っています。製造ラインからあがってくる計測データを読んで、どの検査データが品質と強く関連しているか、どこで不良が生じているか、どの装置にどうフィードバックすればいいかなど、電気特性を改善して歩留まりを上げるための方策をデータから考えていきます。実は、私自身あまりプロセスには詳しくありません。一見不思議に思うかもしれませんが、データを色眼鏡なしに見ていく上では、逆に詳しくないことが役だってもいます。数学のプロとして、統計学の観点から数字が教えてくれる事象を紐解き、プロセスのプロに伝えていくのが、私のデータ解析業務です。

R.Y.  私も生産技術部に属し、四日市工場で使われているフォトマスクの運用管理を担当しています。シリコンウェハの上にマスクをセットし、紫外線を露光して回路パターンを形成するのですが、露光を繰り返すうちに、マスクに成長性の欠陥が生じるため、放置しておくと大量の不良につながります。そこで電子顕微鏡などを用いてマスク表面の画像を観察。不良の発生を未然に防いで、安定したマスク品質の維持・管理に努めています。

D.S.  開発段階の製品の量産化に向けて、VC(Voltage Contrast)検査という工程を担当しています。SEMを用いて、シリコンウェハ上に形成された半導体チップ内部の電気特性を検査する技法で、ウェハを破壊せずに電気的欠陥などの問題点を把握できます。2次元(平面)のNANDから3次元(立体)のBiCS FLASH™へ、フラッシュメモリの進化にともない、立体的な構造の内部をチェックしたいという要請が増大し、VC検査への需要が拡大しているのですが、まだ手法が確立されていません。私は入社してすぐ専任の担当を任され、検査装置の立ち上げ、検査レシピの作成、新機能の評価など、 VC検査技術に関わる一連の業務を手がけています。

T.S.  私もD.Sさんと同じく、開発段階に関与しています。私が担当しているのはイールドマネジメント=歩留まり管理戦略の立案です。開発段階での歩留まり管理になるので、近く市場に出る新製品や次世代・次々世代の試作品を対象に、速やかに歩留まりを向上させて量産につなげようとトライアルしています。開発段階では、いつも歩留まりゼロからのスタート。思い通りにつくれない、問題で一杯の試作品をあらゆる角度から検査・計測・評価して、どうしたら0を1にできるか、検討・改善を重ねていきます。3次元化や高積層化が進むに連れ、プロセスの難易度も上がっていくため、新しいプロセスに適合する検査装置の開発や管理手法の導入まで、イールド(歩留まり)の視点からのイノベーションを推進しています。
03 年齢や年次に関係なく、
責任ある案件にチャレンジできる。


- 今までで最も働きがいを感じたトピックを教えてください。

S.S.  製造の出力を最大限に高めるためには、自動化を加速して工場をスマートにつくりあげる取り組みが大事です。チームでは3年ほど前からAIを活用したプロジェクトを推進中で、以前は人が画像を見て良品・不良品を判定していた外観検査工程に機械学習を適用。AIがスピーディに自動判定する仕組みを構築しました。ただ、欠陥が見つかった時にどう対処するかは、まだ人の判断に頼っているため、現在はディープラーニングを駆使して、機械が自分で学習や反省をしながらベストな判断を行うシステムづくりを試行しています。私がプロジェクトのドライブ役を務めていることもあり、やりがいは大きいですね。

R.Y.  キャリア入社して7年、四日市工場で使われているフォトマスクの検査レシピは、すべて私がつくったものになりました。少しでもミスがあると、大量の歩留まりロスを起こしかねないので、いつも緊張感がありますが、逆に私が作成したレシピによって事前に問題を発見でき、歩留まり被害を抑えられるため、充実感もいっぱいです。ちなみに、メモリの3次元化では、マスクの材料や検査感度が変わったため、研究開発部門と連携して新しくレシピを立ち上げました。新規技術にトライアルできるのも、嬉しいメリットです。

D.S.  私のところでも、半導体の技術進化(3次元化)にともない、次々にVC検査装置が導入されています。やはり感度差など、装置ごとに微妙な違いがあるため、私は装置メーカーの技術陣と議論を重ね、半年ほどかけて機能評価や操作の基準を策定しました。今では、その成果が全レシピに展開され、従来の3倍程度の業務効率化を達成しています。入社前に期待していたとおり、早くから『とりあえずやってみろ』と責任ある仕事を任せてもらえるので、私にはそれがいちばん。経験豊かなスペシャリストが揃っていますし、何でも親身に耳を傾けて相談に乗ってもらえるので、自分から積極的に活動するほどにスキルを磨けます。

T.S.  同感です。1年目でも2年目でも、データとロジックが確かなら、検査・計測のプロフェッショナルの立場で会議に参加し、プロセスのリーダーに進言できます。検査・計測技術と半導体製造プロセス、両方の専門知識を持つ技術者として、最適なソリューションを提案できるのです。実際に、どのようなプロセスを採用すればいいか、私たちがデータを提示して選んでもらうケースもよくあります。材料の投入からデバイスができあがるまで、プロセスと検査の全体を見られるチームは限られますが、そのひとつがイールドマネジメント。広く深く勉強しなければならないので大変な反面、興味の尽きることはありません。

Y.T.  少し前の取り組みですけれど、私が中心になって新しい検査手法を開発しました。量産の立ち上げでは、検査・計測の対象を見るべきデータと見なくてよいデータに振り分ける必要があります。すべてを見ていたら、コストと時間がかかりますし、見るべきものを見逃したら歩留まりに影響するからです。そこで私は、わざとフォトマスクに欠陥をつくって、それがどこまで見えるかをチェック。本当に見たいところだけ見られるように、検査のクオリティをつくり込んでいきました。チームのメンバーを巻き込み、グループワークで手法をルーティーン化し、量産ラインに適用して成功を収めることができました。手を挙げ、声を挙げるほどにチャンスをつかめるのが、当社の魅力だと感じています。
04 働きやすく、暮らしやすい環境が整っている。

- 東芝メモリの社風、また四日市での暮らしはいかがですか。

Y.T.  声を大にして言いたいのは「ワークライフバランスの充実」です。私は子どもが3人いて、いちばん下の子の産休・育休から復職したばかり。時短勤務をはじめ制度が整っていますし、上司やメンバーも理解・協力してくれます。女性だから、子どもがいるから、時短だからといった区別などなしに、責任ある仕事を任せてもらえますし、成果を挙げればしっかり給与にも反映されます。ワーキングマザーも多く活躍していて、男性・女性に関係なく、誰もが働きやすい職場だと実感しています。

R.Y.  私も子どもが3人います。幼稚園の授業参観とか、家族の行事に有給を取って参加するのはごく普通で、「家族を大事に」という文化が会社全体に定着しています。何より「子どもを育てるなら四日市」と言われるくらい、桑名など周辺の市を含めて、公園などの施設や子育て支援の仕組みが充実しています。

T.S.  交通の便もいいですよ。関西にも首都圏にも約2時間で行けるので、地元の大阪にも帰りやすいし、私は名古屋から通勤していますが、車で1時間かかりません。

D.S.  奈良や京都にも日帰りで行けるし、伊勢志摩など観光地も近くに多いし、今日集まった5人は全員が三重県出身ではないけれど、みんな満足していると思います。

S.S.  賛成です。部署間の壁が低くて風通しが良く、部署に関係なく助け合う社風だから、「社内では働きやすく、社外では暮らしやすい」と自信を持って言い切れます。

05 日本の半導体技術のオールスターチームへ、ようこそ。

- では最後に、東芝メモリへの転職を検討されている方へのメッセージを。

T.S.  私は当社を「日本の半導体技術のオールスターチーム」だと考えています。検査・計測分野を含めて、さまざまな専門家が集まっている会社なので、技術者としていろいろ触発されながらキャリアアップしていける環境だと思います。

S.S.  そうですね、何か分からないこと、知りたいことがあれば、上司や先輩が『この人に聞けばいい』というエキスパートを紹介してくれます。電話やメールをすると、皆さんフランクに答えてくれます。本当に多彩な知識を吸収できます。

Y.T.  キャリア入社向けの導入研修、専門技術教育、自己啓発のe-learningと教育研修プログラムが整備されているので、半導体の知識や業界経験はなくても心配いりません。検査・計測や分析・解析に関わる知識・経験があれば、活躍の場は大きく広がります。

R.Y.  新卒入社もキャリア入社もまったく関係ありません。今年の夏から第6製造棟が稼働を始めるなど、工場の拡張が続いているので、新しい設備や装置・機器が次々に導入されています。検査・計測技術の最先端に触れたい、ビッグデータやIoT、AIに関わりたいと思っている人には、最高のフィールドになると思いますよ。

D.S.  欧米・中東・アジアの先進的な装置メーカーやベンダーと取引があるので、海外出張のチャンスも十分。私は先日、シリコンバレーに行ってきました。メールでのやりとりも日常だし、グローバルに活動できるのもメリットだと思います。

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